海苔が出来るまで
のりの養殖は生活史に沿って1年間かけて行われます。
海苔養殖は江戸時代から始まっていますが、当時は大部分の工程が自然任せで、
種場と呼ばれる海域に縄を張り、海苔が付着し成長するのを待つといったものでした。
現在では本成長以外の工程はすべて間の手で改良され管理されています。
下記では柳川有明海苔が出来るまでを簡単にまとめております。
是非ご覧ください。
海苔の旬はいつ?
海苔は海水の温度が18度以下にならないと育ちません。
海苔にとって一番育ちやすい水温は約11度~18度。
10度を下回ると成長が止まります。
北風が吹き始める10月ごろ~翌年3月までの寒い冬の間に生産されます。
フグやカニ、ブリといった海の幸が旬を迎えると同時に海苔も旬を迎えます。
柳川海苔ができるまで
【春頃】糸状体作り
海苔の養殖は春から始まります。
海苔の葉状体を牡蠣殻につけて果胞子を付着させます。
5月ころになると、真っ白だった牡蠣殻に少しづつ胞子が付着していき、黒い斑点が現れます。
8月ごろになると胞子は牡蠣殻の石灰質を溶かして成長し、牡蠣殻全体が写真のように真っ黒になります。
採苗
海の温度が下がる秋ごろになると、成長した糸状体は分裂して殻胞子を放出します。この殻胞子が海苔のタネとなっていきます。この殻胞子をのり網に養生させます(種付け・殻胞子付け)。採苗は約2~3日で完了します
育苗
海苔のタネの成長期間を「育苗(いくびょう)」と呼びます。
のり網に付着した種を1日海水に静置してから海に出します。その際、種付けしたのり網を一定期間海の上に干上がらせ干出を与えます。
この時期には台風や水温の変化が起こりやすく、海苔が病気になりやすい時期でもあります。細心の注意を払いながら育苗を行います。
本育成
種付けの済んだ網は本育成に入ります。芽は約2週間で20cmほどに成長します。
本育成の設備は養殖場の環境(水深・潮位差)により、『支柱張り養殖』や『浮き流し養殖』を用います。支柱式は支柱が立てられる還浅の海で行われますが、現在は養殖漁場設営の制限を、あまり受けない浮き流し養殖が普及しています。
摘採
秋から冬にかけて、生長した海苔を収獲します。
収穫時期は夜中に船を出し、海苔を摘んでいきます。海苔が日光を受けている昼間の収穫ではなく、海苔の細胞が眠っている夜に収穫することで海苔に含まれるうま味成分が保たれ、さらには仕上がりの色艶も良くなります。
製造
収獲した生海苔はミンチ状に細かく洗った後、真水で洗い、抄き(すき)、脱水、乾燥、剥ぎという一連の工程を行います。
海苔の収穫期にはこの機会がフル回転し、海苔を製造します。